火を熾す

冷えきった暖炉に、小さな火をまた灯せるように。風を送って、また大きな火を熾せるように。

かさのきもち。

かさのきもち。



雨。

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小雨?

どしゃ降り?



いいえ、しとしと雨。

鮮やかなrainy day.



でも小雨でもいいよ。
ほんのり明るい灰色の空は好きですから。


どしゃ降りでもいいですよ。
世界が静かになりますから。






傘。

カサカサな
かさのきもち。




高級な傘の気持ち。

ビニール傘の気持ち。

チャンバラに大人気な傘の気持ち。

盗まれた傘の気持ち。

雨やんだら捨てられた傘の気持ち。
雨上がりの陽光の下で
水たまり守ってる傘の気持ち。





雨が、落ちる。
傘が、受ける。





無機質な低音な不規則な音。



重く落ちて軽く跳ねる。






かつてこんなことを書きました。
雨になりたいって書きました。



"雨降らないかな

週に2日は雨が欲しい
煩いものが鳴りを潜めて
日の陰にたまった汚れを洗い流してくれる
定期的な雨が欲しい

ざーーーーーーーーって
静かだけど存在を主張するみたいな強いやつで
心が休まる
そんな雨が欲しい

垂れ込めた雲越しの最低限の光が
ぼんやり家を照らして
コーヒーを入れながら
本を選びたい

うるっさいもの全部遮断して
薄着の長袖が合うような気温の
あの閉塞空間を生み出す
あの雨が欲しい

うるさいんだよ
なんでもう少し静かになれないの
そうやって馬鹿みたいに騒ぐだけだから
いっぱい見落とすんだよ

静かにしてよ
台無しにしないでよ
あと五分でいいから
ちょっと黙ってて 

雨降らないかな
土曜の朝の
雨降らないかな

ってゆうか、雨になりたい
無数に打ち付ける雨粒になって
落ちたい
落ちてゆきたい
アスファルト
すぅーっと
草に、森に
音もなく
生い茂る葉に
ただ、重力に任せて
川面に、海面に
鉛色の世界を
石に、岩に
幾万の同士たちと
砂漠に
下ってゆく
打ち捨てられた町に
ポツリと
トタンの屋根に
ポツリ、ポツリと
あの人の傘に
打ち付けられて
どこか懐かしく感じる大地に
パラ、パラ、パラパラと
僕の全てで
パラ、パラと。"




賢者は雨を大切にしました。


雨のように愛しなさい。
雨は音もなく降り、
ほとんど人に気づかれない。
しかし、川をあふれさせることができる。

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マジカルモーメント 賢者のつぶやき/パウロ・コエーリョ




世界が限界でもう堪えきれないって
まぶたを閉じて

まつげを伝って涙を垂れました。



人はそれを雨と読みました。

地球は恵みと読みました。

ところが傘は、

悲しみと、美しさと、切なさと、

愛と読みました。






鈍く響く不規則な雨音。

傘に当たって跳ね返る。





雨は世界を静かにして
傘はそれを楽しむみたいにハミングを奏でている。





傘になるのもいいですね。



いったいどんな気持ちなのでしょうか。


世界の涙を全身に受けるというのは。


そして下にいる大切な人を守るというのは。





雨と踊りたい。

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傘とは、いいですね。


でも晴れになったらお役御免。


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雨の日のために生まれて、
雨の日のために死ぬ。
僕は傘。






やっぱりちょっぴり寂しいかもしれません。








でも残念ながら雨でも傘でもない人間な私は







雨の日に、机に顔を横向きに臥せて

あくびを噛み殺すあなたが好きです。