火を熾す

冷えきった暖炉に、小さな火をまた灯せるように。風を送って、また大きな火を熾せるように。

読書とは戦略や実利的価値やスキルアップ(笑)だけのためにあるわけではありません。本とは、言語を所有する人だからこそ持ち得た、精神活動の営みです。

読書の利点、みたいなことに書いてあることが
あんまり好きじゃないので心の内をまとめました。

日本語なんて役に立たないって、英語とビジネス用語を学べってよく言われるので
心の内をまとめました。

気分を害されたかたがいらしたらごめんなさい
一意見として捉えてくれたら幸いです。

でもね、
読書って本来、
美しい精神の営みだと思うんですよ。



日本語って 
あり得ないくらい繊細で美しい言語だと思うんですよ。

ここは譲りません。
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https://www.girl-who-reads.com/2012/02/share-book-love-3.html?m=1


・本を読むことは成功の秘訣だ
・たくさんメリットがある
・賢くなれる
・語彙が豊富になる
・知見が広がる
・コミュニケーション力がつく
・ロジックシンキングできるようになる
・ロールプレイングする力
・なんか賢そう
・格好いい、お洒落。
・ビジネス書、自己啓発本は役に立つ
・空き時間に読め、線を引け、考えろ
・同時に読め
積読しろ
・役に立つから。役に立つから。



小説の優先度は低くなっちゃんだよね

現実で役に立たないし
ああ面白かったねで終わるから

あんまり役には立たない






…そうじゃないだろう。
なんで本読むのに''意味''を求めるの
ああ面白かったねで終わって
何が悪いんだよ



美しいからでしょう
一人一人の作者が筆に託した想いと
美しく繊細な独特の文章の中で
出会うためだろう
面白いからだろう
夜が更けるのを忘れて
無我夢中に
インクと紙の世界で
もうひとつの世界に浸るためでしょう?
生き生きと描かれ、ページという制限ある生を与えられた登場人物たちと対話するものでしょう?
紙の匂いを吸い込んで
至福の癒しにあやかる
絵のない故の自由な想像の中に思い思いに翼を広げる
あなたの感性を豊かにして
日々の中に希望を灯してくれる
それが小説でしょう

ちなみに児童文学を馬鹿にする人は荒んでるよ
あの中にどれっだけ大切なものがちりばめられてるのかも知らずに



即戦力の有益性の有無
実用性の有無
目に見える形で何かを手にいれないと落ち着かないんだ



本はただのツールじゃない
芸術であり、それぞれが唯一無比の世界なんだよ

役に立つ、役に立つって言ってもいいけどさ

それだけで専横して生臭い現世の波で覆わないでよ

もちろんそういうメリットもあるよ

でもさ。

あなたの子供に、これから本を読む人に読書を勧めるときは

そんな寂しいことだけを語らないでよって
思うなあ。



おれは所謂ビジネス用語ってのがなんか嫌いです虫が好かない生理的に厭。

無駄にカタカナにしたり
難しい専門用語使ってるのカッコいいだろみたいな
確かに、ニュアンスの正確さを伝えるために必要だな、って思うときはあるよ。
でもさ
今、どれだけの人が「伝えたいこと伝えられない」って悩んでると思う?

綴られた稚拙な文章と
何一つ心に響かない只の線の羅列は

言葉というものを生み出すに至ったその本質を放棄して

あなたの心の叫びを、無機質な紙面や液晶に投げかけているだけですよ。

ロジカルシンキング?
論理的思考力じゃ駄目なの?
論、理、的。この漢字全部が固有の意味を持ってて3つ合わさって論理的の意味になる

これだけ視覚的な言語ってそんなにないと思うのに
日本語ってあり得ないくらい美しいのに
あんなに繊細で儚くて力強い言の葉をないがしろにして

やれ英語だ、古文はいらねえうんたらうんたらって風潮
可哀想にって思う



まあどんなこと考えながら使ってるのか知らないから
勝手に受け取ったイメージからの意見なのでお気を悪くされた方には申し訳ないですが。

言葉は表現です。
本は人の精神の営みです。

本を書くというのは
語るということです。




汚さないでください。