火を熾す

冷えきった暖炉に、小さな火をまた灯せるように。風を送って、また大きな火を熾せるように。

あなたは明日、死ぬかもしれない物語で。

熱い音楽やスピーチ力を従えて
あらゆる成功者は口をそろえてこう言う。







「失敗を恐れるな。」









心が弱った時や隙が生じた時を狙って
あらゆる誹謗中傷家はこう言う。










「こいつは何も分かってない。どうせ失敗する。」










感情や空気に呑まれたときの決断は危険だと良く聞く。
冷静に判断が下せていないと。








綺麗事は綺麗事なんだ。
能力のないお前にできることなんてほとんどなにもないよ。









経験がない。

知識がない。

能力がない。











だから、まだやらない。














大成した人の背中に心を焦がし

失敗し吊るされた人の遺体が雨に晒されるのをみて

足がすくむ。










怠惰に生きたいなんてことはない。

楽して遊んで生きたいわけじゃない。





この心が動くもののために。

そのために、立ち上がりたいと志し立ち上がって

己の無力さに膝を折った日があっただけだ。








綺麗事かもしれないけどやりたいことがある。

でも情けない姿で地に這いつくばりたくない。





なけなしのプライドを抱えて

批判とリスクの雨の中で震えてる。






知識は薄く

経験は足りず

能力は及ばず


完璧だと自信がないと走り出せない。





またないものばかりを数えて

ないものだけを指摘する誹謗中傷家の言葉だけが心をえぐる。












でも今まで生きてきた僕の価値観は
まだこうやって僕を叱咤する。









「かっこいい大人になりたい。」








現実主義者ぶって、冷笑して、
娯楽に金を回す大人になりたくない。


いつまでも夢を追い続けてる
辛さ押し込めて笑ってられる



「明日死んでもいい」って




あの最高の笑顔で笑ってみたいんだ。










確かに若輩者で

視野も狭く

経験は浅い。



これから出会うものも多いだろうし

「準備ができた。」
そう確信してから決断をするべきなのかも。


















「もし、明日世界が終わったら。」

よく耳にするお決まりの啓発表現だ。

どうせ明日世界は終わらないだろうし
そんなこと考えてる時間はない。














でも、ほんとに明日死んだら?




今の自分に満足できるだろうか。

過去に誇りをもてるだろうか。

これからを任せる人々に
すべてを伝えられただろうか。








様々な人が多様なリスクを背負い、
選択をして生きている。

しかし万人が共通して持つものは

「明日、死ぬかもしれない」というリスクだ。












明日死ぬ。




明日死ぬ。



明日、死ぬ。




明日には全部なくなる。




何もできなくなる。



何も残らず



あなたはこの世から消える。




全部さよならだ。



全部全部、さようならなんだ。






いいか。よく聞け。


あなたは、明日死ぬんだ。








f:id:take_gooryu:20180516163635p:plain




f:id:take_gooryu:20180516162421p:plain












もう一度胸に問え。

憧れた英雄の姿と

心が震えた言葉を反芻しろ。


あの人の笑顔にみた

「生きる」

ことの本質をもう一度確かめるんだ。




f:id:take_gooryu:20180516162454p:plain





ファンタジーの先駆けになった指環物語の中に、こんな言葉がある。

“ What to do with the time that is given to us.”

“That there’s some good in this world.
And it’s worth fighting for.”


「与えられた時間の中で我らは一体なにを成すべきなのか。」

「世界には、命を懸けて戦うに足る、素晴らしいものがあるんです。」




f:id:take_gooryu:20180516163348p:plain




いつも決断を迫られている。



ひとつ。

恐れを抱えて無機質に何十年もの日々を生きていくのか




ひとつ。

たとえその生が短くとも

自分に生き、

大切なもののために生き、

信念に生き、

愛を唄い、

人々を励まし、

夢を語り、

情熱を叫んで

自分として、散るのか。















この人生はまさにひとつの物語で。

あなたの選択と歩む足跡が文字となって。

残酷なことに、いつ完結するのかはわからない。










だから、
あなたがなにを求めるのか。

ただそれだけが大切なのだ。















その答えは
その心がしっかりと知っているはずだ。



大切に、大切に育てたその心が。

f:id:take_gooryu:20180516163716p:plain






気高く生きろ。

かけがえのないものの為に生きろ。

忠義を尽くせ。

誇り高く在れ。

涙と歩め。

分け隔てのない優しさとで世界を満たせ。

笑え。笑っていろ。


無償の愛を
この世に残し続けろ。


生きた価値を
残すんだ。






火を熾せ。

火を熾せ。

火を、熾せ。