火を熾す

冷えきった暖炉に、小さな火をまた灯せるように。風を送って、また大きな火を熾せるように。

優しさの本質の唄

優しさに潜む承認欲求

これを偽善だとは言わないよ

だって確かな愛もそこにあるから

自己満足に自己嫌悪

今この世に居場所がほしくて必要とされたくて

誰かの一番じゃ足りずに

みんなの一番になりたいみたいで

そしてそれを受け止めてくれる人を

求めるよう強いられている

吐き捨てられたガムみたいに

はりついてしがみついて 

雨の日には流れ落ちる




僕らの涙で雪は解けた 

でも春はまだやってこないらしいや

長い長い夜を

憎んで

罵って

…愛して。

その静謐に慰めを求めてる

熱くてとめどもない想いの濁流が

身体中を駆け巡って 

眼という唯一の出口から溢れだして滴り落ちる




誰もがどこかで嗚咽を漏らして

ぶっ刺さったナイフを抜こうと

塩と鉄の涙と血をなめている

オレンジジュースだったら良かったのにね



あなたに会うときはいつだって笑顔でも

聞いてみなよ

“そのくまはどうしたのか”ってさ

“あぁ、昨日、遅くまでゲームしてたんだ”

嘘つき

じゃあその頬にこびりついてる

一筋の跡は何なんだよ




強がんなよ、頼ってよって

いつも言ってくれるよね

無責任だねなんて言わないよ 

でもね 聞いてよ

意外とね怖いくらい

人は他人に興味ないんだ

親切が義務になりつつあって 

形骸化した人の心は

強さを謳いながらもそれでも温もりを求めている

そしてそれを隠し押し殺して 

作り笑顔を強いられている

あぁもうやだな 終ってしまえばいいのに

でもさ 死ねないから。

死ねないんだよ。弱いから。

まだあなたを想っていたいみたいでさ 

こんなんでも生きていたいみたいでさ

無慈悲で寒くて孤独に覆われた闇の中で

かじかんでひび割れた手で 

ちっぽけな灯を灯そうかな




抑えられなくなった

言葉にならない悲鳴を

また今夜もこの夜に託すから

僕は今日もこの歌を紡いでいく