火を熾す

冷えきった暖炉に、小さな火をまた灯せるように。風を送って、また大きな火を熾せるように。

サブキャラとかいう矛盾を僕らは生きてくんだよ

眩しい人がいた。


いつも比べては凹んでた。


「おれが来たから大丈夫。」って


背中見せられる人間に憧れた。


くさいセリフ吐きながら


盾になって矢の雨受ける姿に


体ボロッボロでも


目を爛々と輝かせながら


夢を曲げない姿に


主人公に憧れた。


普段は笑ってて
見えないところで泣ける人間になりたかった。


冗談飛ばしてる裏で
一人一人を思い遣れる人間になりたかった。


みんなに優しくて
陰で怒られる人間になりたかった。


みんなと一緒にいたいから
誰よりも強くなりたいって思える人間に。


逆境を乗り越えて
夜空に吠えて
自分の足跡を振り返りたかった。


どん底に落ちて
大切な人を背に担いで
指先血まみれにして
這い上がれるような失敗をしたかった






自分は自分だと
誰にも向き不向きがあるんだと
安物雑誌についてる付録の適正判断で
自分を納得させては
情けなさに絶望してた。


自己肯定だけ得意になって
図星をつかれてまた凹んでた
深夜までかかって自分を癒した


明日から変わろうって何回も思った
でも電車の席すら譲れなかった
隣の子の消しゴムすら拾ってやれなかったんだ


適材適所と逃げることを
ごちゃ混ぜにしてワケわかんなくなった


その度に、君の

「諦めなきゃ、夢は叶うんだ。」

に打ちのめされてたよ。



何のために生きてんの
食べて寝て起きて
口先だけ巧くなって
逃げの口上だけは暗記したよね



ちょっと大人になって
撤退って言葉を覚えたり


「みんな違ってみんないい」


なんて
お前が言うのかよ(笑)
みたいな



能力ないくせに
描いた夢を引きずって


自己嫌悪を人に押し付けて
また誰かを傷つけて










変われないよ。
















じゃあさ、そんなお前なりに生きていこうよ。


上手く生きろよ。


そして、常にヒーローに嫉妬しておけよ。


ヒーローに嫉妬できるだけ


まだ捨てたもんじゃないじゃんよ。





こんな言葉は聞き飽きたかもしんないけど



きっとどこかに

あなたにしかできないことがあるよ。



大丈夫だよ
みんなそんなに強くねぇよ






あなたの道を抱きしめなさい。
たとえ
不確かな歩みを進む必要があるとしても
たとえ
今自分がしていることよりも
もっとうまくできると知っているとしても






プライド抱えて
カッコ悪く生きていこうよ
たった一人の
僕の存在証明を



救いのない矛盾を
それでも僕らは生きていくんだよ

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